
日本における3大死亡原因の一つに、心疾患が挙げられます。
全身疾患の原因となる歯周病の細菌が、口の中から血流に乗って体内に侵入することにより、心臓や内臓など他の臓器に感染することで様々な疾患を引き起こします。
「細菌性心内膜炎」は心臓の弁膜や内膜に発生し、大半は口腔内の感染菌が原因で起こります。そして冠動脈に細菌が入り感染が生じると、その原因菌が生み出す毒素や炎症性物質がもとで血栓を引きおこしたり、動脈硬化の進行を早める可能性があります。
心疾患のリスクを軽減するため、口腔ケアの重要性を認識することはとても重要です。
これは血圧やコレステロール値の高い人、また中性脂肪の高い人にとって、口腔ケアにおける細菌の予防効果は、おおいに期待できるからです。
心疾患に次いで、全身疾患も歯周病との関係は密接です。
血糖値が高い状態が長期におよぶと、歯周組織に炎症を起こしやすくする他、歯周病の進行を加速させてしまいます。
糖尿病の人は、通常の人よりも細菌感染を引きおこしやすかったり、創傷治癒力が低下することも知られています。
原因として、糖尿病に伴う好中球の機能低下、コラーゲンの代謝障害、微小血管の障害が、歯周病の重篤度に大きく関係してくためです。
誤燕性肺炎(ごえんせいはいえん)とは、口の中の食物や唾液・細菌が誤って気道の方に入ってしまい、歯周病菌が肺や気管支に感染して発症を起こすことを言います。
病気や高齢などで飲み込む機能が弱くなっている人に多く発症します。口の中を清潔に維持することで、誤燕性肺炎のリスクを減らすことができます。肺炎と口の中の衛生状態とは、密接な関係があるのです。
感染の発症を起こさないために、体が健康なときから口の中を健康に保つ習慣づけが重要です。仮に、体が不自由になったり、寝たきりの状態になった場合でも、歯科医師や衛生士、家族などの協力を得ながら、口腔ケアを続けていくことでリスクを減らすことが可能になります。
妊娠している女性の場合、妊娠期間が37週未満の出産を早産と呼び、新生児の体重が2,500g未満の新生児を低出産体重児と定義します。
妊娠中は口の中の衛生状態が悪くなる上、女性ホルモンの血中濃度が高い状態にあります。この女性ホルモンを利用して歯周病菌が増殖する場合もあるので、妊娠性歯肉炎を引き起こす要因となりえます。
また、歯周病に罹患している部分から、炎症物質や毒素などが血液中に入り込んで胎盤を刺激すると、胎児の発育に影響を与え低体重児出産の割合を高めたり、子宮の収縮を促し早産のリスクをもたらすことなどの報告があります。
妊婦が状態の悪い歯周病にかかっていると、通常の妊婦よりも低体重児を出産する率が7倍以上になるとのデータもあります。
軽度のうちにキチンと歯周用を治療し未然に防ぐことで、丈夫で元気な赤ちゃんを出産できるようにしたいものですね。
